行き着く先は・・

••付き合って···ない


あれから、半年が過ぎ
リタのお店兼住居は完成した。

私は、母と話して初日から三日間は、
リタのお客様だけを招く事にした。

母は、修吾パパの会社の
玄関ホールと一番大きなホテルの
フロントに花を生けて飾った。

日本の花は、珍しいのか
リタの時からお店を利用して
くれているお客様から
大絶賛だった。

修吾パパからは、開店を祝して
母が生けた花が送られて
お客様の目をひいていた。

ドイツの山寺さんからは
前のリタの家の模型が
送られてきて
スッゴく嬉しかった。

お礼の連絡を入れると
奥様の案だと言われた。
奥様にくれぐれもと伝えた。

観葉植物も少しだけ置いている。
ブーケの注文やアレンジの注文も
頂いて母から助けて貰いながら
切り盛りした。

母と修吾パパと話して
一人雇う?と話しになり
修吾パパが身元の固い人を
見つけてくれた。

三日間は、
リタへの感謝を込めての営業で
盛大に終わる事ができた。

明けてからは、全てのお客様の
対応となる。

母は、修吾パパの会社は、
三日に一度花を変え
ホテルは、数点増やしレストランも
花で食材の味が変わらない用な
場所のみ花を飾っていた。

母の花は、人気があり
当社もとかホテルもと
声を掛けられたが
修吾パパの会社やホテル
レストランで手が回らないから
丁重にお断りしていた。

修吾パパは毎日、
母の生ける花を愛でていた。

母とパパは、本当に仲が良く
修吾パパは、母を妻だと
パーティーにも同伴したり
会社や関連の方々には報告は
済ませていた。

母は、娘の私が言うのも変だが
スタイルも良いし
顔も綺麗な人だ。
日本にいるときも、かなり交際を
申し込まれていた
と、木野さんからもきいていた。

修吾パパの顔つきも
穏和になってきて
前々から優しいかただが
どこか寂しさがある人だと
思っていたから
心から良かったと思っている。

聡吾さんの事で
心配かけているのか
毎回、二人に食事等を
誘われるが、
小さい子ではないから
私を気にする必要はない
と、伝えていた。

そう、母達が心配しているのは、
日本からイタリアに戻ってから
聡吾さんとあっていない。

イタリアに戻った日の食事にも
合流することはなかったし
今日まで聡吾さんに
会うことはなかった。

LINEがたまにあり
忙しい····とか
食事にいけない····とか····のみ。

店の開店にも、なにもなかった。

何か欲しいわけではないが
気持ち···ではないのかと
思うのは、私が日本人だからだろうか
ひかりにもきいて貰ったが
ひかりも同じ意見だった。

これでは、付き合っているとも
考えづらい
だが、お店の方が忙しくて
余計なことを考える暇もなく
済んでいた。

今では、私の中では、
聡吾さんは、修吾パパの息子さん
と、言うだけに変わっていた。
< 80 / 116 >

この作品をシェア

pagetop