行き着く先は・・
(二十三)

••自分探し


毎日、忙しくも
充実した日々を送っている。

お母さんは、
何か言いたそうにしているが
修吾パパに止められている。

わかっている
二人が本当に心配してくれているのは。
だけど、本当の所
もう忘れたいと思っている。

あの人は、私の義理の兄だ。
それで良いし
 ······それしかない。

まぁ、本人には、あの日から
あっていないが。

今日は、びっくりする人が
店にきた。

バイトのケイトが
『ノア、お客様だよ。』
と、言われて
アレンジの途中でお店に行くと
「え··ええっ···悠···人···さん···?···」
「希空。元気か?
この間は、酔って絡んですまん。」
てま、頭を下げる悠人さん。

「この通り元気ですよ。
  いつの話をしてますか?
   悠人さんも元気··ですか?
    いすずさんと一緒ですか?」
と、訊ねると
「元気だよ。
会社を辞めて自分探しをしている。
イタリアに来たから
もしかしたら、希空に会えるかと
思ったら、会えたよ。」
と、話す悠人さん。

会社を辞めた?

ケイトに
『休憩いくね』
と、言って
店を出て、悠人さんの腕を引き
近所のカフェに入る。

適当に注文をしてから
「どうして辞めたのですか?」
「なんか、全てが嫌になってしまった。
希空を傷つけたのも
会社を辞めさせる事になったのも
俺のせいだ。
なんと言われても我慢できる
ずっと、そうやってやってきた。
希空でなく、いすずを選んだんだからと
わかっていたはずなんだ。
いすずは、家に居てくれる人で
ないことは。
だがなぁ······
いつも、いつも、一人だった

何を良い年をした男が
情けないと言われる事もわかっている
だけど、やはり寂しいものは
寂しいし、辛いものは辛い
それを分かち合う相手が
いなくて、空虚でたまらなかった。

だから、もう一度だけ
自分をきちんと探してみようと
思ったんだ。
いすずとは、きちんと別れた。

両親とは、希空と別れてから
疎遠なんだ。
だから、手紙で知らせた。」
と、話す悠人さん。

中国、アメリカ、そして
イタリアに来たらしい。
「無謀ですね。」
と、笑うと
「ありがとう。
また、俺に笑ってくれて。」
と、言うから
「普通です。」
と、話した。

休憩時間もあるから
パッパと食べて戻ることに

悠人さんは、あちこちしてくると
「また、来ても良いか?」
と、訊かれたから
「お待ちしています。」
と、答えた。

母に話すとびっくりしていたが
「自分をみつけられると良いわね。」
と、言っていた。
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