行き着く先は・・
(二十四)

••お互いが大切で大事な存在


聡吾さんが歩いて行った方向へ

あっ、頭が見えた

後を追う···が·····

あ~もぅ、コンパスが違うから····

やっと、追い付いて
聡吾さんの腕を掴むと
聡吾さんが振り向いて
私を捕らえて目を開いた

その時
『あら、Sogo。』
と、数人の男女から·····

みなさん、高い身長
綺麗な顔をしている

モデルさんかな?
と、思っていると
『えっ、この子は?』
と、言われたから
『あっ、義兄がお世話に·····
お世話になっています。』
と、頭を下げると
『『『えっ。あら?妹?』』』
色々、騒いでいる······と·····
『妹じゃない!!』
と、叫ぶと私の腕を掴み
歩き出す聡吾さん。

ええっ!と騒いでいる人達を
置き去りにして。
「聡吾さん?待って!待って!!」
コンパスの大きい聡吾さんに
着いて行くのは、大変!

やっと、止まった、ここは?
噴水のある公園?

はぁっ、はぁっと息がきれる
私を見下ろながら····
「俺は、兄なのか?
希空の中では、兄として
定着されたのか?
そして、あいつとやり直すのか?」
と、怒りと寂しさを秘めた目で
私に訊ねる聡吾さんに
「うふふっ。
兄には、無理があります····ね。
でも、戸籍上は、兄ですがね。」
と、言うと
びっくりしたような
怪訝な顔をする聡吾さん。

「悠人さんとは、
恋人になる事はありません。
悠人さんも、それは解っています。」
と、言うと
ホッとした顔をするから
クスクス笑っていると
「なんだ?」
と、言われて
「あ~っ、すみません。
聡吾さんの色んな表情が
見れたから······」
と、言うと
聡吾さんは、罰の悪そうな顔をした。

「では、私はその事が
伝えたかっただけですから。」
と、言って離れようとすると
聡吾さんに
「送る。」
と、言われて
ちょっと、暗くなり始めたから
「お願いします。」
と、言って歩き始める。

久しぶりの聡吾さんに
「お仕事忙しいですか?」
と、話しかけると
「なぁ、お前は、もう誰とも
恋愛をしないのか?
ずっと独身でいるのか?
それとも、いつかは?
と考えているのか?」
と、言われて
私は自分の思いを口にだしてみた。

「う~ん。
私は恋愛に向かないのではないかと。
私は、ただ、好きになって
そして、相手にも好きになって欲しい
それだけなのです。

でも、いつも一方通行で
終わってしまいます。
自分の何が行けないのか
わからないうちは
恋愛をしても同じだと。

聡吾さんとは、根本的にかみあって
いないように思えました。

仕事が忙しいのは
みな同じです。内容に違いは
あるかもしれませんが····

忙しさの中でも、お互いが
思いやれる、そんな恋をしたい。
片方だけが、一生懸命とかでなくて
会えなくても、お互いがお互いを
わかって補う。
友達との付き合いも大切です。
親子の時間も大切だと思います。

それを踏まえてお互いが大切で
大事な存在でありたいと
私は思っています。

これは、私の持論です。
生意気言ってすみません。」
と、答えると
聡吾さんは、何か考えてるのか
それ以上を口にしなかった。

私達は、無言で歩きながら
私の住居へついた。
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