行き着く先は・・
••私中心
「おじゃまします」
と、言う私に
少し苦笑いをする聡吾さん
式を挙げる日に
イタリアでは、入籍の手続きをするが
日本には、父のお墓に報告に
行く予定なのでそのときに
手続きを行う。
修吾パパが、
「日本のお父さんに
きちんと報告しておいで。」
と、言ってくれた。
母も聡吾さんも頷いてくれた。
聡吾さん家のキッチンを使って
夕飯を作る。簡単な物を。
聡吾さんには、先にシャワーを
浴びるように伝えて。
出来上がった時に
調度、聡吾さんがリビングに
やってきたが
上半身裸で頭からタオルを
かけた姿に
「聡吾さん、上、うえっを
着て下さい。」
と、慌てながら言うと
「いつも、こうだが。」
と、意地悪を言うから
「意地悪するなら修吾パパの所へ
行きます。」
と、後を向いて言うと
「はぁ?何で親父?ダメだからな。」
と、言うとティシャツを
着てくれたから
「あっ、ありがとうございます。」
と、言うと
頭にポンと手を置いてくれた。
準備をして
二人で席にすわり
「いただきます。」
と、言うと
聡吾さんも
「いただきます。」
と、言ってくれた。
今まで、何度か一緒に食事をした事が
あるが、はじめて« いただきます »
の言葉に嬉しくなる。
聡吾さんは、
告白をしてくれた日から
思って入ること
思ったことを口にしてくれるようになった。
恥ずかしい事を言われて
赤面することもあるが
私は、私が答えられる範囲で
答えたり、わからないときは
一緒に考えたりしている。
そんな経験が今までなかったが
二人で話す事に幸せを感じていた。
聡吾さんは、
今の言い方で、間違ってないか?
気持ちは、伝わったか?
悲しい思いをしていないか?
と、聞いてくれる
私の事を中心に考えてくれる
事が嬉しかった。
あれからずっとこんな日々で
私達は、キス止まりだったが
聡吾さんから
「ずいぶん我慢した
そろそろ、俺だけの希空になって。」
と、言われて
今日を迎えている。
片付けをして
私もシャワーを借りた。