先輩、後ろの2文字ください。
◆初恋をキミに
【side 樹】
……初めて、だった。
こんな気持ちになったのは。
「なにしてるの?」
それは、僕がまだ七歳の頃。
家の最寄りの公園でひとり遊んでいると、僕より少し背の高い女の子が興味津々に話しかけてきた。
引っ越してきたばかりでまだ友達のいなかった僕は、突然のことにビクビクしていた。
なにしろ、その頃の僕は今よりずっと人見知りで警戒心が強かったから。
「ぼく、ひとりなの?」
「そ、だけど……」
「じゃあ、私と遊ぼ?」
「え……」
ね?、と同調を求められ、僕は困惑する。
別にひとりは慣れっこだし。
単純に遊びたかったから来た、それだけだ。誰かと遊びたいなんて、そんなことこれっぽっちも思ってない。……はず。