先輩、後ろの2文字ください。

初めは、その気持ちがわからなかった。


でも……、それから彼女と毎日のように遊ぶようになって。

“かほさん”と呼ぶ機会が増えて。

たくさんの表情を見て、僕は気がついた。


──僕は、彼女に恋をしてるんだって。



そして、あの頃から欲していたものにも気がつく。


──彼女のデレてるところが見たい。


でも、なかなか彼女はデレてくれなくて。それどころか日に日に塩が増していく一方だった。


やっと見れたのは、ふたりの記念日。


それでも、心の底からその日を待ち望んでいた僕にとっては、嬉しい気持ちでしかなかったけれど。

付き合う前にも見たかったなぁ、なんて。
そんなワガママなことも思ってみたり。

< 16 / 19 >

この作品をシェア

pagetop