介護士は恋をした
「この春巻きおいしいです!」
「本当!?一つちょうだい」
湊は毎回ドキドキしながらこの食事の時間を楽しんでいる。しかし、今日はずっと気になっていたことを訊ねてみることにした。
「あの、咲良さん……」
「ん?何?」
チャーハンを頬張っていた咲良は湊を見つめる。湊は緊張しながら気になっていることを口にした。
「どうしていつも、ひとりひとりに寄り添うんですか?全部受け止めようとするんですか?」
咲良はゴクリとチャーハンを飲み込み、水を一口飲む。その表情はいつも笑っている咲良ではなく、どこか寂しげなものだった。湊の緊張が増していく。
「私ね、最初から施設で働いてたわけじゃないんだ。私はもともと看護補助員として病院で働いてた」
予想外の言葉に湊は「へっ!?病院?」と口にする。咲良は切なげに笑って話を続ける。
「病院ってね、患者さんひとりひとりと向き合う時間なんてないの。毎日のように誰かが入院して、誰かが退院するの繰り返し。毎日バタバタ動き回ってて、ゆっくり患者さんと話す時間なんてほとんどない。でも、あの頃の私はそれでいいと思ってた」
「本当!?一つちょうだい」
湊は毎回ドキドキしながらこの食事の時間を楽しんでいる。しかし、今日はずっと気になっていたことを訊ねてみることにした。
「あの、咲良さん……」
「ん?何?」
チャーハンを頬張っていた咲良は湊を見つめる。湊は緊張しながら気になっていることを口にした。
「どうしていつも、ひとりひとりに寄り添うんですか?全部受け止めようとするんですか?」
咲良はゴクリとチャーハンを飲み込み、水を一口飲む。その表情はいつも笑っている咲良ではなく、どこか寂しげなものだった。湊の緊張が増していく。
「私ね、最初から施設で働いてたわけじゃないんだ。私はもともと看護補助員として病院で働いてた」
予想外の言葉に湊は「へっ!?病院?」と口にする。咲良は切なげに笑って話を続ける。
「病院ってね、患者さんひとりひとりと向き合う時間なんてないの。毎日のように誰かが入院して、誰かが退院するの繰り返し。毎日バタバタ動き回ってて、ゆっくり患者さんと話す時間なんてほとんどない。でも、あの頃の私はそれでいいと思ってた」