介護士は恋をした
湊はそう言ったものの、入所者の人はずっと大声で「嫌だ!嫌だ!」と叫んでいる。この人の他にもお風呂に入れなければならない人はたくさんいる。つい、湊は冷たい言葉をかけてしまった。
「なら入らなくていいですよ。あなたを相手にしている時間が無駄ですから」
そう言い、抵抗する入所者の人を置いて湊が別の人をお風呂に入れようとした刹那、「何馬鹿なことを言っているの!」と先輩に怒られた。
「この人の服はもう脱がせてあるの!こんな中途半端に放り出したら風邪を引いてしまう!きちんと最後までやりなさい!」
「じゃあどうしたら……」
「もういい。私がやる」
先輩が何とかその人をお風呂に入れたものの、抵抗されたことや先輩の冷たい目に、自分が悪いと分かっていてもまるで被害者のように感じてしまうのだ。
「学生の時はよかったのにな……」
ポツリと湊は呟いていた。学生の頃は、一人でも多くのお年寄りを助けるのだと夢を自由に描いていた。何も現場を知らないからこそ、笑顔でいられた。でも、実際は違う。
「なら入らなくていいですよ。あなたを相手にしている時間が無駄ですから」
そう言い、抵抗する入所者の人を置いて湊が別の人をお風呂に入れようとした刹那、「何馬鹿なことを言っているの!」と先輩に怒られた。
「この人の服はもう脱がせてあるの!こんな中途半端に放り出したら風邪を引いてしまう!きちんと最後までやりなさい!」
「じゃあどうしたら……」
「もういい。私がやる」
先輩が何とかその人をお風呂に入れたものの、抵抗されたことや先輩の冷たい目に、自分が悪いと分かっていてもまるで被害者のように感じてしまうのだ。
「学生の時はよかったのにな……」
ポツリと湊は呟いていた。学生の頃は、一人でも多くのお年寄りを助けるのだと夢を自由に描いていた。何も現場を知らないからこそ、笑顔でいられた。でも、実際は違う。