茉莉花の花嫁
清瀬を自宅に入れると、リビングに案内した。

「1人で暮らしているのか?」

「ええ、1人です」

清瀬の質問に茉莉花は答えると、キッチンへと足を向かわせた。

「何か飲みますか?」

「頼む」

清瀬が返事したのを確認すると、茉莉花はやかんを火にかけた。

やかんの中には今朝作ったほうじ茶が入っている。

それを温めている間に茉莉花は棚から湯飲みを2つ取り出すと、温かくなったほうじ茶を注いだ。

「どうぞ」

「ありがとう」

温めたばかりのほうじ茶をテーブルのうえに置くと、清瀬は口に含んだ。

「美味いな」

湯飲みをテーブルのうえに置くと、清瀬は言った。

「コンビニで買ったほうじ茶のパックを煮出ししただけですが」

茉莉花は言った。
< 23 / 70 >

この作品をシェア

pagetop