茉莉花の花嫁
「俺の話を聞きたくないと言うならば、すぐに俺を追い出せ。

信じるか信じないかはお前に任せるが、後戻りができるのは今のうちだ」

そう言った清瀬の顔を見つめると、
「後戻りはしません」

茉莉花は言った。

「あなたがどんな話をしても、私はあなたの身に起こったその話を信じます」

宣言をするように、茉莉花は言った。

「…本当か?」

確認をするように聞いてきた清瀬に、
「はい」

茉莉花は首を縦に振ってうなずいた。

(相当なまでに度胸があるな…。

さすがは“茉莉花の花嫁”と言うところか…?)

清瀬は返事をした茉莉花の顔を見ながら、心の中で呟いた。

(彼女が、自分が“茉莉花の花嫁”であることを知っているのかはわからないが)

清瀬は口を開いた。
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