茉莉花の花嫁
「わ、悪かった…!

俺が悪かった…!

さっきのことは謝る…!

泊めてくれと言うならば、すぐに用意をする…!

金ならいくらでも出す…!

お願いだ、許してくれ…!

本当に、悪かった…!」

清瀬は地面に手をついて、黒鬼に謝った。

「優しい心を持たない傲慢な愚か者が」

黒鬼は鋭い爪がある指を自分に向けると、
「お前に“呪い”をかけてやる」
と、言った。

「の、呪い…?」

そう言った鬼に、清瀬は聞き返した。

「“黒百合の呪い”だ。

お前にその“呪い”をかけてやる」

黒鬼が言い終わったその瞬間、
「うわああっ!」

清瀬の背中に燃えるような痛みが走った。

「い、痛い!

痛い、やめてくれ!

うわあああっ!」

体験したことがないその痛さに清瀬は地面をのたうち回った。
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