茉莉花の花嫁
「傲慢な愚か者のお前に、“呪い”を解く方法を教えてやろう」

のたうち回っている清瀬に向かって、黒鬼が言った。

「その“呪い”を解く方法は、ただ1つ――“茉莉花の花嫁”だ」

(ま、まつりか…?)

清瀬は黒鬼の話に耳を傾けた。

「運命の女――“茉莉花の花嫁”に出会い、恋をすることだ。

その女に人を愛することと人に愛されることを学んで、“真実の愛”を手に入れることだ」

黒鬼は地面にいる自分に向かって金色の目を向けると、
「ただし…お前が“真実の愛”を手に入れたその瞬間に、お前は死ぬ。

それが“黒百合の呪い”だ」
と、言った。

(死ぬ…!?)

「傲慢な性格のままで生きるか運命の女に愛されて死ぬか、それはお前次第だ」

黒鬼が高く笑っている声を聞きながら、清瀬は意識を失った。
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