茉莉花の花嫁
第6章・風信子の別れ
「“茉莉花の花嫁”、ですか…」

いつもの授業が終わり、美紀と2人だけになったことを確認すると、茉莉花は彼女に自分の身に起こった全てのことを説明した。

「信じられないとは思うけど…」

そう呟いた茉莉花に、
「いいえ、信じます。

先生の身に起こったことなら、私は信じます」

美紀は言い返した。

「だけど、おとぎ話みたいな出来事ですよね」

そう言った美紀に、
「何か知ってることがありますか?」
と、茉莉花は聞いた。

「ごめんなさい、オカルト的なことがあくまでも“わかる”だけで何もできないんです」

美紀は答えた。

「でも、先生はその人にかけられた呪いを解きたいんですよね?

その人が死なずに済む呪いの解き方を探しているんですよね?」

「ええ」

そう言った美紀に、茉莉花は首を縦に振ってうなずいた。
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