茉莉花の花嫁
「実は…その虎頭さん、つきあっている人が他にいるって言うことがわかったんだ。

それで彼女と別れたんだ」

熊元は言った。

「わ、別れた…？」

茉莉花は熊元が何を言っているのか、全く理解ができなかった。

「俺、彼女と別れて気づいたんだ。

どうして君と言うずっとつきあってきた人がいながら、何で君を捨てて彼女を選んでしまったんだろう…って、すごく後悔した。

君と一緒にいるべきだと言うことに気づいた…」

「――よ…」

「えっ？」

茉莉花の顔は真っ赤だった。

それは照れからくるものではない、怒りだ。

「ふざけないでよ！」

茉莉花は熊元に向かって大きな声で叫ぶように怒鳴った。

こんな姿の彼女を見たのは初めてで、熊元は戸惑っていた。
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