茉莉花の花嫁
彼女のことが好きなんだと、改めて思い知らされた。

清瀬は微笑んで、
「――茉莉花…」

彼女に向かって手を伸ばした。

それに気づいた茉莉花は、その手を自分の手と重ねた。

「――茉莉花…俺は、お前を愛してる…。

お前に会えてよかったと、思ってた…」

「――清瀬さん…」

もうすぐで、後少しで、清瀬がいなくなるんだと言うことを、茉莉花は理解した。

「――私も…」

茉莉花は震える唇を開いて、音を発した。

「――私も、あなたを愛しています…」

やっと言えたと、茉莉花は思った。

やっと聞けたと、清瀬は思った。

「――茉莉花…愛してる…」

清瀬は呟くように言って微笑むと、ゆっくりと目を閉じた。

「清瀬さん…!?」

茉莉花は叫んだ。
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