結婚から始めましょう。
「先生を呼ぶね」

ナースコールを押して私が目覚めたことを伝えると、蓮は再び私に向き直った。大きな手で私の頬を包み込んで、目を合わせながら言い聞かせるように語りかけてくる。

「桃香、体にさわるから落ち着いて聞いて。桃香を苦しめている人達は、もういないから。大丈夫だから。僕を信じて」

私を苦しめる人……？
混乱する私に、蓮は笑みを向けてる。

「大丈夫だから」


暫くして医師が来ると、診察をして状態を説明された。

「何か……精神的なストレスがかかっているようですね」

医師は、私に言うというより蓮に向けて話している。

「妻と２人で話がしたいのですが」

「大丈夫でしょう。くれぐれも興奮させないように気を付けてください。何かあれば、すぐに呼んでください」

退室する医師を見送ると、蓮は水を飲ませてくれた。よほど喉が渇いていたのか、随分な量を飲み切っていた。



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