結婚から始めましょう。
「桃香さんには、こんな可愛らしい一面もあるんですね。初対面の私の前では、きちんとした女性の姿しか見せてくれなかったので、ここへ来て良かったです」

「蓮さん!?」

思わず蓮に詰め寄る私に、華子もくすくす笑う。

「まあ。本当に仲良くなったみたいね」

何を言っても茶化されるばかりだ。ただただ恥ずかしい。

「華子さん。桃香さんに会わせてくださって、ありがとうございます」

「いいのよ。幸太郎さんには随分よくしてもらったし、秋葉家の頼み事ならお安い御用よ」

華子は蓮に会ったと言っていたけど、想像よりも打ち解けているようだ。

「で、お式はいつぐらい?入籍が3ヶ月後として……」

「は、華子さん。ちょっと待って」

「どうしたの?桃ちゃん」

「どうしたのって、入籍とか式とかって……」

「あら。ここで働いてるならわかるでしょ?出会って3ヶ月が目安だって」

「そ、それは……」

口ごもった時、蓮さんから膝をポンポンとされた。不意打ちのことにドキリとして、話す勢いを失ってしまった。


「華子さん。桃香さんはまだ、私との結婚を前提にしたお付き合いに承諾してくれたばかりなので。2人なりのペースで関係を築いていきたいと思ってるのですが」


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