結婚から始めましょう。
「わかりました。このお話、受けさせていただきます」

こんなふうに大事な決断をしていいのだろうかと、いつもの私なら立ち止まって考えていたと思う。けれど、恩人である華子の喜ぶ姿は、どうしたって私の冷静さを奪うようだ。

「ありがとうございます」

蓮は私の手を取ると、これ以上嬉しいことはないとでもいうような、満面の笑みを浮かべた。




「それではまた、連絡しますね」

華子が落ち着くのを待って、改めていろいろ調整すると、蓮は帰っていった。

「桃ちゃん」

「ん?」

「幸せになるのよ」

「うん」

「さあ、これから忙しくなるわね」

華子のワクワクした顔を見たら、これ以上言うことは見つからない。

「華子さん、よろしくお願いします」

「任せて」








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