結婚から始めましょう。
「じゃあ、そろそろこの辺で」
粗方予定してあった内容の話もできた頃、華子の一言で、解散することになった。
「桃香さん、この後の予定は?」
鞄を手にして立ち上がったタイミングで、蓮に声をかけられた。
「特にないですけど」
「でしたら、私とデートしませんか?」
「あらいいじゃない。桃ちゃん行っておいで」
「う、うん」
料亭の前で3人を見送ると、蓮は自然と私の手をとって歩き出した。
車に乗って連れてこられたのは、ベリーヒルズビレッジ内の、高級店が連なるフロアだった。一帯にえんじ色の絨毯が敷かれおり、土足で踏み入ることを躊躇しそうになる。
蓮はともかく、私には場違い感が半端ない。顔合わせの為にと、いつもよりかしこまった服装で来たことが唯一の救いだ。
「蓮さん、何か欲しい物でもあるんですか?」
「桃香さんに指輪を贈りたいんです。私の婚約者だということを、周りにちゃんと知らしめたくて」
「コンヤクシャ……」
間違いではないけど、言葉にされると妙にそわそわしてくる。
「本当はサプライズなんて格好つけたことも思いましたが、それより桃香さんにちゃんと選んでもらった方がいいかと思って」
と言われても……ここはどう考えても庶民の私には手の届かない高級店だ。
粗方予定してあった内容の話もできた頃、華子の一言で、解散することになった。
「桃香さん、この後の予定は?」
鞄を手にして立ち上がったタイミングで、蓮に声をかけられた。
「特にないですけど」
「でしたら、私とデートしませんか?」
「あらいいじゃない。桃ちゃん行っておいで」
「う、うん」
料亭の前で3人を見送ると、蓮は自然と私の手をとって歩き出した。
車に乗って連れてこられたのは、ベリーヒルズビレッジ内の、高級店が連なるフロアだった。一帯にえんじ色の絨毯が敷かれおり、土足で踏み入ることを躊躇しそうになる。
蓮はともかく、私には場違い感が半端ない。顔合わせの為にと、いつもよりかしこまった服装で来たことが唯一の救いだ。
「蓮さん、何か欲しい物でもあるんですか?」
「桃香さんに指輪を贈りたいんです。私の婚約者だということを、周りにちゃんと知らしめたくて」
「コンヤクシャ……」
間違いではないけど、言葉にされると妙にそわそわしてくる。
「本当はサプライズなんて格好つけたことも思いましたが、それより桃香さんにちゃんと選んでもらった方がいいかと思って」
と言われても……ここはどう考えても庶民の私には手の届かない高級店だ。