結婚から始めましょう。
そのまま近くのカフェで落ち着いた。まあ、そこもかなり高級そうだけど……

「大丈夫ですか?」

「あ、はい」

「よかった」

彼には、私が緊張疲れしているのはお見通しなのだろう。いつも私の様子に注意して、こうやって適切なタイミングで休憩を促したり、声をかけたりしてくれる。



「今後の話をしたいのですが」

なんとなくかしこまる蓮に、私も思わず背筋を伸ばした。

「結婚してからのことです。式は先になりますが、私としては早めに籍を入れたいので」

出会ってから3ヶ月。とすると、今から2ヶ月後が目安だ。結婚を決めた以上、その覚悟はできている。

「そのタイミングで、一緒に住もうと思うのですが」

「えっ?」

何もおかしなことはない。夫婦になる以上、それがあたりまえだ。
なのに……今の今まで、すっかり抜け落ちていた。

「いっ、一緒に……そ、そうですよね」

「桃香さんの心が、まだそこまで追いついていないのはわかっています。一緒に住むからと言って
無理強いなことは絶対にしません。桃香さんの気持ちが追い付くまで待ちます」

「す、すみません。私、蓮さんが嫌だとかは全くないんです。一緒にいると、ドキドキはしますが楽しいですし」

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