結婚から始めましょう。
今後のことを確認して別れを告げる頃には、対面してからかなりの時間が経っていた。

「長くなってしまい、申し訳ありません」

「いえ。大丈夫です」

「南田さん、純也さん。それでは、これからよろしくお願いします」

頭を下げる私に二人も返してくれる。

その一瞬、純也が私の左手の指輪に目を向けたことに気付いてしまった。
既婚者なら、年下でも一応任せられるとか思われただろうか……

でもこれ、






ダミーですから。






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