結婚から始めましょう。
夫婦になりました
蓮から正式なプロポーズを受けて、暫く経った週末の今日、私と蓮は未来アートに来ていた。

「まあまあまあ。秋葉さん、来てくれてありがとう。みんな、ちょっといい」

華子が声をかけるまでもなく、3人の社員は既に蓮に釘付けだ。

「こちら、秋葉蓮さんよ。桃ちゃんの旦那様になるの。この後、出しに行くのよね?」

振り向く華子に、蓮が笑顔で答える。

「ええ。華子さんに証人欄を書いてもらって、出しに行きます。皆さん、どうぞよろしくお願いします」

頭を下げる蓮に、私も倣う。

みんなからの祝福の言葉と拍手に包まれて、改めて幸せを実感した。


「桃ちゃんだけど、これからも事務専属になってもらうわね。勤務は平日のみで」

「了解です。新婚さんを拘束できないからね」

山田が茶化すように言う。

「やってみて大変なら、人員補充も検討中よ。知り合いで来てもらえそうな人がいるの。まあ、ほぼ補充確定なんだけど」

「なんで?」

思わず聞き返していた。

「だって、桃ちゃんがいつ産休に入るかわからないもの」

…………は?

今なんて……?



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