医学探偵S
医療File4 流れる血
「あっ!忘れ物しちゃった……」
仕事から家に帰る途中、和都は職場に水筒を置き忘れたことに気付いた。明日、和都の仕事は休みだ。休日にまで職場に行きたくはない。
「しょうがない。取りに行くか」
自分のドジを和都は恨みながら歩く。今日は仕事が予想以上に早く終わったので嬉しかったのだ。職場にはまだ結弦がいる。またドジをしたのか、と笑われる覚悟で向かった。
「お父さん!お母さん!」
「見て見て!変な形の葉っぱ見つけたよ!」
相談所に向かう途中、公園で楽しそうに遊ぶ家族の姿が見えた。笑顔の家族を見ていると和都の胸が自然と温かくなる。そして、いつか自分も家族を持てたらいいなと思うのだ。
「あれ?」
相談所の前に和都が来ると、赤ちゃんを抱いた若い男女が立っていた。その顔はとても緊張しているようだが、入り口でその足を止めている。
「あの、どうかされましたか?」
和都が訊ねると、「ここの相談員さんですか?」と女性に訊かれる。和都が頷くと、男性に「助けてほしいんです!」と腕を掴まれた。
仕事から家に帰る途中、和都は職場に水筒を置き忘れたことに気付いた。明日、和都の仕事は休みだ。休日にまで職場に行きたくはない。
「しょうがない。取りに行くか」
自分のドジを和都は恨みながら歩く。今日は仕事が予想以上に早く終わったので嬉しかったのだ。職場にはまだ結弦がいる。またドジをしたのか、と笑われる覚悟で向かった。
「お父さん!お母さん!」
「見て見て!変な形の葉っぱ見つけたよ!」
相談所に向かう途中、公園で楽しそうに遊ぶ家族の姿が見えた。笑顔の家族を見ていると和都の胸が自然と温かくなる。そして、いつか自分も家族を持てたらいいなと思うのだ。
「あれ?」
相談所の前に和都が来ると、赤ちゃんを抱いた若い男女が立っていた。その顔はとても緊張しているようだが、入り口でその足を止めている。
「あの、どうかされましたか?」
和都が訊ねると、「ここの相談員さんですか?」と女性に訊かれる。和都が頷くと、男性に「助けてほしいんです!」と腕を掴まれた。