医学探偵S
結弦がそう言い、和都は女性が抱いている子どもを見つめる。目元はお母さん似でおでこが広いところはお父さん似だ。

「お二人にお子さん、そっくりですね」

和都がそう笑うと、女性と男性の目から涙がこぼれる。そして「ありがとうございます」と何度もお礼を言って帰って行った。

二人が帰った後、和都はふと気になったことがあったので結弦に訊ねてみる。

「そういえば、cisAB型の人って血液型占いってAB型で見ることになるんですか?」

「はあ?」

真剣に訊ねた和都に対し、結弦はこれほどにない冷たい目をしていた。そんなことにはお構いなしで和都は話す。

「私、血液型占いって大好きなんです!私、O型なんですけど当たってるっていうか……。結弦さんは変わり者って感じしますしやっぱりAB型ですか?」

「盛り上がっているところ申し訳ないが、俺は百万人に一人しかいないと言われるボンベイ型だ」

「えっ?」

予想外の言葉に和都はポカンとなる。結弦は冷たい目をしたまま言った。
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