医学探偵S
医療File5 人間の生命力
いつものように和都は仕事をこなし、相談者が来るのを待っていた。結弦も「もうそろそろだな」と時計を見て姿勢を正す。その時、ドアがノックされた。
「お待ちしておりました。どうぞこちらへ」
和都がメガネをかけた男性をソファに案内する。そして、男性はポケットから名刺を取り出した。
「××総合病院で救急医をしております、安西(あんざい)です」
「救急のお医者さんがどうして……」
和都が驚くと、「私ではもうわからないのです!」と困ったように安西さんは言う。そして、一人の患者の写真を見せた。
「うちに入院している黒沼(くろぬま)さんです。一週間ほど前に救急搬送されてきました」
「なぜ搬送されて来たんです?」
結弦の問いに安西さんは「実はこの方、北野山に仲間と登山していたんですが、行方不明になっていたんです。それも二週間ほど」と答える。その言葉に「えっ?」と和都は驚いてもう一度写真を見た。
「お待ちしておりました。どうぞこちらへ」
和都がメガネをかけた男性をソファに案内する。そして、男性はポケットから名刺を取り出した。
「××総合病院で救急医をしております、安西(あんざい)です」
「救急のお医者さんがどうして……」
和都が驚くと、「私ではもうわからないのです!」と困ったように安西さんは言う。そして、一人の患者の写真を見せた。
「うちに入院している黒沼(くろぬま)さんです。一週間ほど前に救急搬送されてきました」
「なぜ搬送されて来たんです?」
結弦の問いに安西さんは「実はこの方、北野山に仲間と登山していたんですが、行方不明になっていたんです。それも二週間ほど」と答える。その言葉に「えっ?」と和都は驚いてもう一度写真を見た。