医学探偵S
一時間ほどして女性の偏頭痛は落ち着いてきたようだ。和都は女性の前にお茶を出し、「大変そうですね」と声をかける。女性は疲れたような顔で言った。

「子どもの頃からずっと偏頭痛があるんです。生理前から生理中はとにかくひどくて……。ずっと我慢してたんですけど、主人や子どもに心配されて病院へ行こうかなと思いました。でも、どこの病院へ行けばいいのかわからなくて、こちらに来ました」

「そうだったんですね。私たちが必ずお力になります！」

和都は女性を安心させようと優しく笑う。女性も優しく微笑んでくれた。その時、結弦が訊ねる。

「あなたは、お酒を飲まれたりタバコを吸われたりしますか？」

「いいえ。私はもちろん、私の家族や主人も誰もお酒やタバコは飲んだり吸ったりはしません」

「なるほど……。タバコを吸わない。お酒も飲まない。そして体型は痩せている……」

結弦は相談室に置かれた棚から、心臓に関するものを取り出す。そしてあるページを女性に見せて言った。
< 4 / 28 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop