医学探偵S

医療File2 睡魔

仕事が休憩となり、お昼ご飯にオムライスを食べた和都は、相談室のソファに腰掛けていた。

「勉強してホームズさんを驚かせてやるんだから！」

テーブルの上には相談室の棚から運んだ医学書などが山のように積まれている。和都はそれらに真剣に目を向けていたのだが、いつの間にか目の前が真っ暗になっていた。

「起きろ、ワトソン！！」

大声で耳元で言われ、和都は「ひゃあッ！！」と飛び起きる。横を見れば結弦が「休憩時間はもう終わりだぞ？早く片付けろ」と怖い笑みを浮かべていた。

和都が目の前のテーブルを見ると、山積みに医学書は置かれたままだ。そして、自分が読んでいた医学書にはよだれがついている。どうやら眠ってしまっていたらしい。

「あ〜あ。せっかく勉強してたのに……」

肩を落とす和都に結弦は冷たい目を向けた。

「眠ってしまったら意味がないだろう。早く片付けろ。もうすぐ相談者が来る」

「はい……」