触らないでよ!〜彼氏に振られたその日、女の子(?)に告白されました〜
初めて部屋に入った日。
「やっ……と終わりましたね!」



パソコンの電源を落としてイスの背もたれに寄りかかりながら、茜ちゃんが両腕を上げて大きく伸びた。



「そうだね、お疲れ様でした」

「明日から通常業務ですね〜、今日が金曜日だったらよかったのに」



いそいそと帰り支度を始める茜ちゃん。

水曜日の、ノー残業デー。
伝票処理や給与計算など月末の業務が予定より1日かかってしまったけど、就業時間内に終わらせられたのは嬉しい。



「どうします、ミカさん。飲みに行きますか?」

「あー、どうしようかな」



今日は元彼が置いていったメモの待ち合わせ日だ。
あれから本人とは会っていない。
連絡先は消していないから話をしようと思えばできるのに、私からも向こうからも動かなかった。

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