触らないでよ!〜彼氏に振られたその日、女の子(?)に告白されました〜
「百瀬、ちょっと」
このままなにもなかったらいいのに、と思っていた矢先、タイミングを見計らったように元彼が目の前に現れた。
視界の端でバッグを机に置いたまま、気まずそうに茜ちゃんが座っている。
「あ、仕事終わった?」
「うん、でも私、今日予定ある」
ちらりと茜ちゃんに視線を送る。
それに気づいたのか、茜ちゃんが「私とお疲れ様会するんですよね」と助け舟を出してくれた。
「高橋さん、それ明日にずらせない?」
「なんでですか、嫌ですよ。先週から約束してたのに」
茜ちゃんが早坂を睨む。口元は笑っているけど、目が怖い。
茜ちゃんが言っていることはハッタリだったけど、この機転がむしろ嬉しい。
「話があるなら今ここですればいいじゃないですか、私、席外すので」
茜ちゃんが席を立って、ドアに向かって行ってしまう。
社内にはまだ人がいる。茜ちゃんはそれをわかっていて敢えて言っているようだった。
「ーーこの前のこと?」
だけど、2人っきりにしてほしくなくて慌てる。
ろくに顔を見ずに話しかけた。
「だったら、断るね」
「なんで」
「好きな人ができたから」
立ち上がって茜ちゃんの後を追う。早坂は納得していない顔をしていた。
別れてから日が経ってないからだろう。
私が言った言葉も、ただこの話を終わらせるためだけの冗談だと思っているかもしれない。
このままなにもなかったらいいのに、と思っていた矢先、タイミングを見計らったように元彼が目の前に現れた。
視界の端でバッグを机に置いたまま、気まずそうに茜ちゃんが座っている。
「あ、仕事終わった?」
「うん、でも私、今日予定ある」
ちらりと茜ちゃんに視線を送る。
それに気づいたのか、茜ちゃんが「私とお疲れ様会するんですよね」と助け舟を出してくれた。
「高橋さん、それ明日にずらせない?」
「なんでですか、嫌ですよ。先週から約束してたのに」
茜ちゃんが早坂を睨む。口元は笑っているけど、目が怖い。
茜ちゃんが言っていることはハッタリだったけど、この機転がむしろ嬉しい。
「話があるなら今ここですればいいじゃないですか、私、席外すので」
茜ちゃんが席を立って、ドアに向かって行ってしまう。
社内にはまだ人がいる。茜ちゃんはそれをわかっていて敢えて言っているようだった。
「ーーこの前のこと?」
だけど、2人っきりにしてほしくなくて慌てる。
ろくに顔を見ずに話しかけた。
「だったら、断るね」
「なんで」
「好きな人ができたから」
立ち上がって茜ちゃんの後を追う。早坂は納得していない顔をしていた。
別れてから日が経ってないからだろう。
私が言った言葉も、ただこの話を終わらせるためだけの冗談だと思っているかもしれない。