触らないでよ!〜彼氏に振られたその日、女の子(?)に告白されました〜
「あれ、澪ちゃん待っててくれたの?」



階段を下りると、澪ちゃんがすぐそばに立っていた。



「うん、ミカさんが浮気しないように」

「しないよ、失礼な」

「後輩さん、大丈夫でした?」

「うん、たぶん。意識ははっきりしてたし、ちゃんと玄関まで見送ったし」

「じゃ、帰りますか」

「送ってってくれるの? ありがとう」



実はここから駅までの道順に自信が無かったから助かった。



「いや、私の家に」

「え、ダメだよ! 明日も仕事あるし」

「後輩さんの家には泊まったのに?」

「パジャマないし、ブラウスの替え持ってきてないし」

「貸してあげるし、洗ってあげるよ?」



断る理由がこれ以上思いつかなくて言葉に詰まる。



「……ミカさんなんかいやらしいこと考えてる?」



べつにそういうことはないけど。



「次は頑張ってくれるんだっけ」



含み笑いをする澪ちゃんを見て、先週の記憶が甦ってかぁっと顔が熱くなった。



「……帰る!」

「嘘ですごめんなさい帰らないでください」



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