触らないでよ!〜彼氏に振られたその日、女の子(?)に告白されました〜
「お酒飲んでるから、転ばないように気をつけてくださいね」



脱衣所と浴室の電気を点けながら澪ちゃんが念を押す。



「もうだいぶ抜けてきたと思うよ」



脱衣所では洗濯機が音を立てて回っている。



「そうですか? ドライヤーはここに置いておきますね」

洗面台の棚にドライヤーを置いて「ごゆっくり」と澪ちゃんが出ていった。
脱衣所のカーテンを引いて借りている服を脱ぐ。

浴室は床が濡れていて、澪ちゃんがすでに入ったのだとわかる。

少し熱めの設定になっているシャワーを浴びながら、人の部屋にいるという慣れない場面に今さらながら緊張してきた。




用意されたバスタオルで体を拭いて、さっきまで着ていた服にまた袖を通す。

まだ水分の付いた体にマキシ丈のスカートの裾が引っかかって腰の辺りで止まる。

澪ちゃんサイズだから袖も長くて、腕まくりをしてから裾を直そうとまずは袖から手を出す。



突然、脱衣所のカーテンが勢いよく開いて、澪ちゃんと目が合った。



「あ」



澪ちゃんが小さく言ったかと思うとカーテンがまた勢いよく閉められる。

パンツは履いていたけど下半身をガッツリ見られた。
しかも中途半端に服を着ている状態だったから、かなりマヌケな格好だと思う。

慌てて服の裾を引っ張ってお尻を隠す。



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