触らないでよ!〜彼氏に振られたその日、女の子(?)に告白されました〜
エントランスへ向かう茜ちゃんを見つけたところで、カウンターから下りる。

さっきの店員に会釈をして、カフェを出た。
エレベーターホールでエレベーターを待っている茜ちゃんの後ろ姿に声をかける。



「あ! ミカさん! 昨日はすみませんでした」

「おはよう、茜ちゃん。二日酔いになってない?」

「はい、家に帰ってからずっと寝てたので」

「それはよかった」



フロアの前まで来て、カードキーを探す。

ーーあれ。


「ミカさん? どうしました?」

「パス忘れたみたい……」

「えぇ? 昨日のお店ですか?」

「いや、たぶんその後」



バッグの中をいくら探しても、青いネックストラップが見えない。

澪ちゃんの部屋でメイクポーチを出すときに一度バッグの中身を出したから、きっとそのときに戻し忘れたのかもしれない。


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