触らないでよ!〜彼氏に振られたその日、女の子(?)に告白されました〜
いつも通りの電車に揺られる。

家と会社の間に「SARASA」の建つ繁華街がある。

朝の繁華街は人が少なく、ごみをついばむカラスの方が多い。

電車の窓から電気の付いてない飲み屋の看板たちを眺めて、澪ちゃんに返事を返していないことを思い出す。



かばんからスマホを取り出し、昨日までなかったはずの見慣れない猫のアイコンがついたトーク画面を開く。

朝のお礼を打って送信。



会社が近づくにつれて重くなっていく憂鬱さが、少しだけ薄れていく気がした。

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