触らないでよ!〜彼氏に振られたその日、女の子(?)に告白されました〜
「ちょっと待っててくださいね」と言って、茜ちゃんが総務部のエリアに入っていった。

始業15分前になって、エレベーターが開いて元彼が出てきた。



「おはよう。入らないの?」

「……おはよ、鍵忘れたっぽい」

「ダッサ!」

「うるさいな」



昨日のことがなかったかのように、軽口を叩いてフロアに入っていく。
入れ違いで茜ちゃんが来客用のカードキーを持ってきてくれた。



「あぁ、茜ちゃん、ありがとう」

「いえいえ、急がないと遅刻になりますよ」



誰よりも早く来たのに、それは困る。

バッグを床に置いて立ったままパソコンを立ち上げる。
IDとパスワードを入力して席に着いたところで朝礼が始まった。
せわしなく立ったり座ったりをしている私を見て、茜ちゃんが小刻みに肩を震わせていた。
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