触らないでよ!〜彼氏に振られたその日、女の子(?)に告白されました〜
リビングから寝室までの短い距離を走る。

期待値が大きすぎると、その分ガッカリ度も大きい。

スマホの画面に表示されていたのは、今一番必要としていない元彼の名前だった。



『ミカ?』



職場では「百瀬」なのに。
周りに知られたくないという理由で、私は下の名前で呼ばれることを拒否していた。
そのことを今でも覚えていたのかと驚く。



「早坂」



それでも私は一線を引くように名字で呼び続ける。



『今なにしてんの』

「家でだらだらしてる」

『暇かよ』

「だって日曜日だし、明日も仕事あるし」

『あー、まぁなー』



一問一答のような短い会話を交わしながら、昨日と今日、誰とも話をしていないことに気づいた。

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