触らないでよ!〜彼氏に振られたその日、女の子(?)に告白されました〜
午後はハンコをもらいに各所へ走り回って、あまり自席にいられなかった。
昼食後から茜ちゃんの様子はおかしいままで、何を言っても上の空になっていてまともに会話ができる状態じゃない。
それでも仕事は淡々とこなしているからそれが余計心配になる。
定時になって「お疲れ様です」と元気のない状態でフロアを出ていく。
後片付けにもたついていたら机の上のスマホが震えた。澪ちゃんだ。
『ーーもしもし、ミカさん? 今、大丈夫?』
「うん、仕事終わったから平気。どうしたの?」
『茜さん、近くにいますか?』
澪ちゃんの口から「茜さん」という名前が出てきて違和感を覚える。
それでもここで変な空気になっても意味が無いから、茜ちゃんが出て行った先を目で追った。
「茜ちゃん? 今さっき出てったけど、ーーあ、ちょっと待って、エレベーターのところにいた。代わる?」
『あぁ、代わらなくてもいいから、茜さん連れてSARASAに来てもらえますか? 茜さんにお客様が来てます』
澪ちゃんはそれだけ言うと電話を切ってしまった。
スマホだけ持ったままフロアを出て、エレベーターを待っていた茜ちゃんを呼び止める。
「茜ちゃん、SARASA行こう!」
「えぇ〜……私昨日澪ちゃんのこと怒らせたからあんまり行きたくないです」
「茜ちゃんにお客さん来てるって。彼女さんかもしれないよ」
「……じゃあ行きます」
渋々うなずく茜ちゃんの顔に少し期待の色が見えたのを見逃さなかった。
ほっとする。今日、彼女さんに会えたら、きっと茜ちゃんはいつものように戻る。年下だけど頼りがいのある後輩に。
戻ってくれなきゃ私が困る。
昼食後から茜ちゃんの様子はおかしいままで、何を言っても上の空になっていてまともに会話ができる状態じゃない。
それでも仕事は淡々とこなしているからそれが余計心配になる。
定時になって「お疲れ様です」と元気のない状態でフロアを出ていく。
後片付けにもたついていたら机の上のスマホが震えた。澪ちゃんだ。
『ーーもしもし、ミカさん? 今、大丈夫?』
「うん、仕事終わったから平気。どうしたの?」
『茜さん、近くにいますか?』
澪ちゃんの口から「茜さん」という名前が出てきて違和感を覚える。
それでもここで変な空気になっても意味が無いから、茜ちゃんが出て行った先を目で追った。
「茜ちゃん? 今さっき出てったけど、ーーあ、ちょっと待って、エレベーターのところにいた。代わる?」
『あぁ、代わらなくてもいいから、茜さん連れてSARASAに来てもらえますか? 茜さんにお客様が来てます』
澪ちゃんはそれだけ言うと電話を切ってしまった。
スマホだけ持ったままフロアを出て、エレベーターを待っていた茜ちゃんを呼び止める。
「茜ちゃん、SARASA行こう!」
「えぇ〜……私昨日澪ちゃんのこと怒らせたからあんまり行きたくないです」
「茜ちゃんにお客さん来てるって。彼女さんかもしれないよ」
「……じゃあ行きます」
渋々うなずく茜ちゃんの顔に少し期待の色が見えたのを見逃さなかった。
ほっとする。今日、彼女さんに会えたら、きっと茜ちゃんはいつものように戻る。年下だけど頼りがいのある後輩に。
戻ってくれなきゃ私が困る。