触らないでよ!〜彼氏に振られたその日、女の子(?)に告白されました〜
「百瀬さん、俺がカウンターで飲んでたとき、店に来たことあるよ。
1年以上前かな、お互い私服だったから気づいてなかったかもしれないけど、あのときすごい泣いてたからよく覚えてる。
会社での百瀬さんって、あまり人と話すの苦手そうだと思ってたから。
澪ちゃんとサラサさんの前で子どもみたいにボロボロ泣いてるの見てびっくりしたよ。
それから百瀬さんが毎月怒った顔で期限切れた伝票持ってくる度に、なんか面白くなってきちゃってさ、手負いの捨て猫がブチギレてるみたいに見えて笑っちゃうんだよね」
先月だったか、須賀さんにわけもわからず笑われたことを思い出した。
「なんですか、それ」
「ねー、なんだろうね。ちなみに今もそういうふうに見えてる」
ソファの背もたれから振り向いた須賀さんと目が合う。
「そんなにビビらないでよ」と困ったように眉を下げた。
そういうつもりはなかったんだけど、やっぱり態度に出てしまうらしい。
「でさ、やっぱり澪ちゃんと付き合ってるの?」
「……一応」
コーヒーのおかわりに立った須賀さんから、人1人分のスペースを空けて立つ。
「はぁあ、やっぱりか! なんか男だってわかっても実際フラれても、嘘だったんじゃないかって思ってたんだけどつーか思いたかったんだけど、やっぱり男だったか!」
須賀さんがコーヒーメーカーが乗ったカウンターのふちに手をついて沈んだ。
今まで見たことのない「デキる男」のかけ離れた姿に戸惑いながらおかしくなってくる。
「あの子、性別わからないレベルでキレイじゃない?」
「あぁ、それはわかります。私も最近まで女の子だと思ってました」
振られた男と現彼女の会話。
澪ちゃんが見たらきっとびっくりするだろう。
1年以上前かな、お互い私服だったから気づいてなかったかもしれないけど、あのときすごい泣いてたからよく覚えてる。
会社での百瀬さんって、あまり人と話すの苦手そうだと思ってたから。
澪ちゃんとサラサさんの前で子どもみたいにボロボロ泣いてるの見てびっくりしたよ。
それから百瀬さんが毎月怒った顔で期限切れた伝票持ってくる度に、なんか面白くなってきちゃってさ、手負いの捨て猫がブチギレてるみたいに見えて笑っちゃうんだよね」
先月だったか、須賀さんにわけもわからず笑われたことを思い出した。
「なんですか、それ」
「ねー、なんだろうね。ちなみに今もそういうふうに見えてる」
ソファの背もたれから振り向いた須賀さんと目が合う。
「そんなにビビらないでよ」と困ったように眉を下げた。
そういうつもりはなかったんだけど、やっぱり態度に出てしまうらしい。
「でさ、やっぱり澪ちゃんと付き合ってるの?」
「……一応」
コーヒーのおかわりに立った須賀さんから、人1人分のスペースを空けて立つ。
「はぁあ、やっぱりか! なんか男だってわかっても実際フラれても、嘘だったんじゃないかって思ってたんだけどつーか思いたかったんだけど、やっぱり男だったか!」
須賀さんがコーヒーメーカーが乗ったカウンターのふちに手をついて沈んだ。
今まで見たことのない「デキる男」のかけ離れた姿に戸惑いながらおかしくなってくる。
「あの子、性別わからないレベルでキレイじゃない?」
「あぁ、それはわかります。私も最近まで女の子だと思ってました」
振られた男と現彼女の会話。
澪ちゃんが見たらきっとびっくりするだろう。