触らないでよ!〜彼氏に振られたその日、女の子(?)に告白されました〜
家にいるときも澪ちゃんからの連絡は届いた。
電話には出ないで、30分くらいしてから適当な言い訳をつけてメッセージのやり取りをする。
そういうことを何度か繰り返した。
『ミカさん、今は家?』
「うん、これから寝るところだよ。
澪ちゃんも卒論の準備、無理しないでね」
既読がつく。
おやすみと打とうとしたところで、部屋のインターホンが鳴った。
こんな夜更けに人が来ることはまずない。
一瞬、早坂の顔が浮かんだ。
持っていたスマホが震える。
『今鳴らしたの俺だから、出て』
見てしまったことを後悔する。
寝ていて気づかなかったなんて言い訳ができない。
家にいることも伝えてしまっている。
ゆっくりと玄関のドアを開ける。
2週間ぶりの澪ちゃんが立っていた。
一言も話すことなく抱きしめられる。
薄い生地のパジャマ越しに、冷たい手の感触が伝わる。
「……久しぶり」
体を離して澪ちゃんが笑った。
純粋に会えて嬉しい気持ちと嘘をつき続けた罪悪感と澪ちゃんへの疑念がごちゃ混ぜになる。
なにか言おうとしたけど、喉が詰まって声が出ない。
「ミカさん?」
「……この前っ、電話したとき出たの、誰……っ」
声は涙と一緒になってようやく出てきた。
電話には出ないで、30分くらいしてから適当な言い訳をつけてメッセージのやり取りをする。
そういうことを何度か繰り返した。
『ミカさん、今は家?』
「うん、これから寝るところだよ。
澪ちゃんも卒論の準備、無理しないでね」
既読がつく。
おやすみと打とうとしたところで、部屋のインターホンが鳴った。
こんな夜更けに人が来ることはまずない。
一瞬、早坂の顔が浮かんだ。
持っていたスマホが震える。
『今鳴らしたの俺だから、出て』
見てしまったことを後悔する。
寝ていて気づかなかったなんて言い訳ができない。
家にいることも伝えてしまっている。
ゆっくりと玄関のドアを開ける。
2週間ぶりの澪ちゃんが立っていた。
一言も話すことなく抱きしめられる。
薄い生地のパジャマ越しに、冷たい手の感触が伝わる。
「……久しぶり」
体を離して澪ちゃんが笑った。
純粋に会えて嬉しい気持ちと嘘をつき続けた罪悪感と澪ちゃんへの疑念がごちゃ混ぜになる。
なにか言おうとしたけど、喉が詰まって声が出ない。
「ミカさん?」
「……この前っ、電話したとき出たの、誰……っ」
声は涙と一緒になってようやく出てきた。