触らないでよ!〜彼氏に振られたその日、女の子(?)に告白されました〜
「……やっぱりか」



澪ちゃんが笑ってもう一度私を抱きしめた。



「ちゃんと言ってくれればよかったのに」

「だって、こういう気持ちになったことないからわかんないんだもん……っ」

「そうだよね、浮気してんのかって怖くて聞けないよねぇ」



ポンポンと背中を撫でられる。

それから、電話に出た人は澪ちゃんの友達で、私が電話をかけた日は他の友達も一緒だったことを教えられた。

場所は大学の研究室で、その友達のSNSに載っている画像も見せてもらった。

確かに、澪ちゃん含む5人が教室のようなところでパソコンを開いている。



「ね? ちゃんと卒論頑張ってるんだよ、俺。
俺はもう終わって友達のを手伝ってるって感じなんだけど」

「……ごめんなさい」

「こちらこそ、もっと早く会いに行けばよかったね、ごめんね」



2人で謝りあって、ようやく安心する。

澪ちゃんに背中に手を回して久しぶりの匂いを嗅いでいたら肩を掴まれて引き剥がされた。


ーー拒否された……?


今は自分に自信がないせいで、安心しても一瞬でひとつひとつをマイナスに捉えてしまう。



「はい、じゃあ服と仕事の制服持って、1週間分くらいね」

「え」

「今日からうちに泊まればいいよ、俺の卒論発表が終わるまで。
ていうか泊まって欲しい。
もうミカさんに全然触ってないから、冗談でも比喩でもなくて本気で吐きそう、ストレスやばい……」

< 222 / 259 >

この作品をシェア

pagetop