触らないでよ!〜彼氏に振られたその日、女の子(?)に告白されました〜
ーーやばい。

さっきから嬉しくて、にやにやが止まらない。


よくよく考えてみたら、澪ちゃんの部屋に連続して泊まるなんて初めてだ。
しかも帰る場所も、ここでいいなんて。



誤解が解けて澪ちゃんの部屋に入って、澪ちゃんがシャワーを浴びに出ていって、1人になって、やっと事の大きさに気づく。




思い立ってパジャマの隙間から下着を覗いた。


ーーもう少し可愛いの着てればよかった……。


そもそも今日も会う予定じゃなかったから油断しすぎた。
ただでさえ顔面偏差値で負けているのに、女子力で負けてたら愛想尽かされる。


というか、私にもう少し胸があれば……。

女装しているときの澪ちゃんのあの胸は、澪ちゃんの希望? 願望? あれくらい大きいほうがいいのかな……。

25過ぎても胸って大きくなるのかな。


ーーあれ、胸痩せた?

最近ちゃんとご飯食べてなかったからかな。
どうして胸ばっか先に減ってくんだろう、どうせならもっとこのお腹の肉とかさぁ……!


むにむにとお腹をつまんでいたら人の気配がした。



「いつから!?」



リビングの入り口で澪ちゃんが口に手を当てながら肩を震わせている。

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