触らないでよ!〜彼氏に振られたその日、女の子(?)に告白されました〜
「……ミカさんが、自分の胸触り出したあたりから」

「ほぼ最初!?」



顔から火が出るほど恥ずかしい。

こういうときに限って澪ちゃんはドライヤーを使っていない。
濡れた髪をおだんごにしている。
だからお風呂からあがったことにも気づかなかった。



「どしたのミカさん、太ったの?」



にやにやしながら澪ちゃんが私の背中にくっついて、さっきまで私が触っていたところに手を伸ばす。



「触らないで」

「いって!」


反動をつけて後頭部を澪ちゃんの鎖骨の下、胸骨にぶつける。



「風邪ひくからちゃんと髪乾かしてきなさい」

「……はい、ごめんなさい」


うずくまった状態から顔を上げた澪ちゃんの目に涙が光っていた。
ちょっとやりすぎたかもしれない。

でも私のほうが泣きたいくらい恥ずかしかった。
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