触らないでよ!〜彼氏に振られたその日、女の子(?)に告白されました〜
2本目のビールを飲み終わるまで待っていた澪ちゃんと一緒にベッドに入った。

今日、澪ちゃんは一滴もお酒を飲んでいない。
それなのに布団に入った瞬間、電池が切れたように寝息を立てている。


卒論が忙しかったのは本当なんだ。
それなのに車で迎えに来てくれたんだ……。


規則正しい呼吸音を聞きながら、澪ちゃんの横顔を眺める。

相変わらずキレイな顔……。
まつげ長いし鼻高いし唇薄いし……。

じっと見ていたら澪ちゃんが寝返りを打った。



一瞬、起きたのかと思って、ドキッとする。



キレイな顔が目の前に来た。






起きないように、頬に触れるか触れないかというところで動かした手を止める。



「……澪ちゃん……?」



呼び掛けたけど返事がない。

少しずつ体をずらして澪ちゃんに近づく。

息を止めて、起こさないようにキスをした。



ーー……起きない……。





いつも翻弄されているから、少しイタズラ心が湧いた。


体を起こして澪ちゃんを仰向けに正す。
重くてかなり動かしたけど、やっぱり起きる気配はない。

でも今はそのほうが都合がよかった。
< 227 / 259 >

この作品をシェア

pagetop