触らないでよ!〜彼氏に振られたその日、女の子(?)に告白されました〜
ーー腰が痛い。

立っているのも座っているのもつらい。
ずっと歩いている方がまだ気が紛れると思えるくらい。

電車の揺れにもきっと耐えられそうにない。



駅まで送ってくれた澪ちゃんが晴れ晴れしながら私に手を振る。

その顔に腹が立つ。



朝に浴びたシャワーのせいで、ふとした瞬間に澪ちゃんと同じシャンプーの香りがする。



「ミカさん?」



他のサラリーマンと一緒にホームで電車を待っていたら、後ろから茜ちゃんに声をかけられた。



「あれ、もしかして昨日澪ちゃんのところにいました?」



にやりと笑う。

核心めいたことは言われていないのに、昨日とついさっきしたことが一気によみがえってきて焦る。

曖昧にうなずいた私を見て、茜ちゃんが息を呑んだ。



「待って、ミカさん、なんか今日……やば……」

「え、なに?」



口元に手をやる茜ちゃんの顔がみるみるうちに赤くなった。
またキスマークでもつけられたのかと思って首を隠す。



「……雰囲気変わりましたね、すごい……エロい……」

「朝から何言ってんのっ」

「そりゃこっちのセリフですよ、朝からなにしてんですか」



悪びれもせずに言う茜ちゃん。
話している内容だけに周りの目が痛い。


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