触らないでよ!〜彼氏に振られたその日、女の子(?)に告白されました〜
口元をへの字にして、しょげられる。



「う、じゃあ、イタダキマス」

「はい、あーん」



こういう食べさせてもらうの、したことないからすごく恥ずかしい!



「おいしい?」

「……うん、おいしい」



澪ちゃんが満足そうにニコニコしながら自分の分のパンケーキを切って口に運んでいる。

一方私は緊張で味が甘いってこと以外よくわからなくて、気の利いた感想を言えないままコーヒーを飲む。



「あーんだって、デートみたいですね」



半分ほど食べ進めたとき、急に思い出したように澪ちゃんが笑った。

やっと心が落ち着いてきたのになんてこと言うの!



「ミカさん、顔赤いですよ。なんかこっちまで照れる」



ーー絶対嘘だ。
そんな余裕そうな顔で言われても、全然照れてるように見えない。



「もう1回あーんってします?」

「しません! 早く食べないと仕事遅れるよ!」



絶対からかってる!

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