触らないでよ!〜彼氏に振られたその日、女の子(?)に告白されました〜
パンケーキを幸せそうな顔で頬張る澪ちゃんを見ていたら、ふと手が止まった。



「ミカさん、今日はお店に来ますか?」



少し期待したような目で見られて、慌ててそらす。



「あー……ううん、今日はいいや」

「え、なんで!?」

「ちょっとサラサさんに会うの気まずいというか恥ずかしいというか……」

「私と付き合ってるから?」

「あ、えっと、サラサさんは私と澪ちゃん両方のことを知ってるから。
絶対からかわれそうで……」



澪ちゃんの頬がぷくっとふくれる。



「じゃあ、私と付き合ってる間はもうずっとお店に来ないの?」

「えぇ!?それはないよ!!
今日は行かないってだけ!」

「それなら良かった」



澪ちゃんの表情がぱっと明るくなる。

なんだか今日1日で、お店のときの「大人っぽい澪ちゃん」から、妹みたいな感じだったり恋人みたいな感じだったり、いろんな澪ちゃんを見た気がする。

うまく言えないけど、今まで付き合った人たちとは違う感覚。

同性と付き合ったことはないし、キス以上の経験もないからなんとも言えないけど、とにかく「大事にしなきゃ」と思えてくる。


< 33 / 259 >

この作品をシェア

pagetop