触らないでよ!〜彼氏に振られたその日、女の子(?)に告白されました〜
好きってなんでしょう。
澪ちゃんと映画を観た翌日。
私の知らない澪ちゃんを見た翌日。


私は澪ちゃんと別れようか悩んでいた。


そもそも、今の状態が付き合ってることになってるのか未だに信じてないんだけど。

今まで男の人と付き合ったことしかないから、昨日の映画はどうしても友達同士の「遊び」にしか思えなくて。


ーーでも澪ちゃん、私とキスもセックスもできるって言ってたよね……。


実際、誰ともしたことないから分からないけど、それってボランティア精神でできるものなの……?

というか、私はなんでこんな疑ってるの?

だって、澪ちゃん、私といたときより一瞬でもあの男の人といたときのほうが楽しそうだった。



午前9時過ぎ。

深夜まで仕事していた澪ちゃんは、たぶんまだ寝てるかもしれない。

ラインのアイコンを眺めながら、いつ言おうか、どうやって切り出そうか考えすぎていた。



ーー付き合うって言わなきゃよかったなぁ。



後悔すら出てくる。

今までみたいに「触れない理由」を付き合ってきた人達のせいにしてたほうが楽だった。

いつも別れを切り出される側だから、いざ自分が言うとなるとどう言っていいか分からない。

こういうとき、サラサさんに聞けたらいいのに……。

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