触らないでよ!〜彼氏に振られたその日、女の子(?)に告白されました〜
「……ひゃぁっ」



おでこと耳になんか当たった!

ていうか、変な声出た!!



「……んっ」



唇に柔らかい感触。

全身の血が沸騰しそうになる。

澪ちゃんの甘い匂いがすぐ近くでして、テレビの音が遠くなる。



ぴちゃ、と水の音がして唇がくすぐったい。

舐められたとわかるまで、一瞬だった。



「……澪ちゃんっ」



いきなり大きな声を出されて驚いたのか、肩に乗っていた腕が勢いよく離れた。

無意識に息を止めていたせいで、呼吸が乱れる。



「……あ、ごめんなさい。やりすぎちゃいました」

「……うん、だいじょうぶ……」



恥ずかしすぎて顔を上げられない。

息が苦しい……。



「ミカさん、」



名前を呼ばれて体がはねる。



「飲みすぎちゃったみたいです。
トイレ借りていいですか?」

「ーーあ、うん……! どうぞ!」



そのまま澪ちゃんが出ていくのを見てから、力が抜けたようにソファの座面に頭を突っ込む。


ーーびっくりした……。


長年、手を繋ぐことすら拒否していたせいで、しばらくキスの感触を忘れていた。

体がビリビリしてすごく熱い。



あのまま続けてたら、確実に心臓が止まる気がする……。

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