触らないでよ!〜彼氏に振られたその日、女の子(?)に告白されました〜
「私、絶対自信ない……」

「だから、変なことしなきゃいいんだってば」

「無理です……」



ーー寝室にて。

シングルベッドに並んで寝るやいなや、澪ちゃんが弱音を吐き出した。



「こんな至近距離で寝るとか……欲情して爆発しちゃう……」



ーー欲情すると爆発するのか。
どういうことだ……。


仰向けのまま首を動かして、めそめそしながら両手で顔を覆っている澪ちゃんを眺める。

お酒が回ってきてるから今すぐにでも寝たいんだけど、隣でこんなふうな態度をとられると安眠できない。



「じゃあ、はい。手でも繋ぐ?」

「……手だけで満足できると思ってんのか……」

「って言う割には繋ぐんだね」



うつ伏せの澪ちゃんが、右手で私の左手を握った。
そのままぷいっと拗ねたように頭だけ壁側を向いてしまった。



「はい、ではおやすみ」

「……おやすみなさい……」



睡魔のピークで半ば寝落ちのようだった。

だから、澪ちゃんが知らないうちに帰ってしまったこととか、気づかないうちに付けられた痕とか、朝になってからじゃないとわからなかった。

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