触らないでよ!〜彼氏に振られたその日、女の子(?)に告白されました〜
「……え、っと、ちょっと待ってね、それはどこかに行こうっていう話じゃなくて、単純に付き合うってこと?」



酔いが回っているのか、うまく頭が働かない。
澪ちゃんがこくりとうなずく。


ーーあぁ、やっぱりそうか。



「ミカさんは、」



澪ちゃんは言いながら、私の左手に両手を絡めた。



「こうして私が手を握っても、嫌だと思いますか?」



風に冷やされた私の手に澪ちゃんの手の温度が伝わる。暖かい。
やっぱり男の人とは違う、気がする。

全然苦痛じゃない。



「……すみません」



返事に困っていたら手をほどかれた。



「いきなり言われてもびっくりしますよね。

でも私、ミカさんが触られるのが嫌だっていう気持ち治せると思うんです。

男と女では違うって思うかもしれないけど、私、ミカさんが泣いてるところもう見たくないです……」



しゅん、と泣きそうな顔になる澪ちゃん。

その顔が愛しく思えて頭を撫でようとしたけど、向こうがヒールを履いているせいであと少しのところで届きそうもない。

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