触らないでよ!〜彼氏に振られたその日、女の子(?)に告白されました〜
「どっちだと思いますか?」



私が頼んだカクテルだろうか、シェーカーに何種類かリキュールを入れながら、いじわるそうに澪ちゃんが笑った。



「えー、むしろこの顔で男だったら女として自信なくすー」



「ねぇ?」と突然知らない人に同意を求められる。
澪ちゃんを男として見たことがなかったから困惑した。

そうか、サラサさんや他の従業員の人を見ると、澪ちゃんも「そういう人」に見られるのか。

返事をしないでいたら「すみません」と連れの男の人に彼女越しで謝られた。



「お待たせしました」



頼んだカクテルが目の前に現れる。
ショートグラスの中で、黄色と青色が2層に分かれてキレイだった。

隣のカップルが帰ろうと席を立つ。
足元がおぼつかない彼女の脇を男の人が支えながら、小言を言っているのが聞こえる。

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